さ夜更けて雲間の月の影見れば
袖に知られぬ霜ぞ置きける
- 歌の意味
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夜が更けて、雲の切れ間から差す月の光を見ると、袖には冷たさも感じられない霜が置いていることだ。
- 鑑賞
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冬歌 342
詞書「夜ふけて月を見てよめる」
夜が更けてから月を見て詠んだ歌である。雲の切れ間から差す月の光を見ると、あたりが霜の置いたように白く見えるが、袖には冷たさの感じられない霜であったと詠む。月の光を霜に見立て、触れても冷たくない霜という機知を加えている。
賀茂真淵は、四句の「袖に知られぬ」という言い方を後世風であると評している。
初句「さ夜更けて」の「さ」は接頭語で、夜が更けての意である。
二句「雲間の月の」は、雲の切れ間に見える月をいう。
三句「影見れば」は、月の光を見るとの意である。
四句「袖に知られぬ」は、袖にはそれと感じられないの意で、本物の霜であれば袖に冷たさを感じるはずなのに、という見立ての種明かしになっている。
結句「霜ぞ置きける」は、係助詞「ぞ」を受けて「けり」の連体形「ける」で結ぶ。月光を霜に見立てる趣向は、次歌の題「月影似霜」へと続く。
さよ:夜
くもま:雲の切れ間
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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千鳥鳴く佐保の川原の月清み 衣手寒し夜や更けぬらむ
- 次の歌
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月影の白きを見ればかささぎの 渡せる橋に霜や置きけむ