更けにけり外山の嵐冴え冴えて
十市の里にすめる月影
- 歌の意味
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夜が更けたことだ。外山の嵐が冷たく冴えわたり、十市の里に澄みわたっている月の光よ。
- 鑑賞
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冬歌 346
詞書「月前嵐」
月の前の嵐という題で詠んだ歌である。夜が更け、人里近い山の嵐が冷たく冴えわたって、十市の里に月の光が澄みわたっていると詠む。嵐に吹き払われた空に澄む月を描いている。
『新古今和歌集』の式子内親王の歌「更けにけり山の端近く月冴えて十市の里に衣打つ声」と初句、四句の言葉が重なり、同じく夜更けの十市の里を詠んでいる。
初句「更けにけり」の「けり」は詠嘆で、夜が更けたことに気づいた感動を表し、ここで句切れとなる。
二句「外山の嵐」は、人里近い山から吹く激しい風をいう。
三句「冴え冴えて」は、前歌の三句と同じ句で、冷たく冴えわたるの意である。
四句「十市の里に」は、大和国の歌枕である十市の里をいう。
結句「すめる月影」の「すめる」は、月が澄んでいる意と、里に住む意を掛けた掛詞で、体言止めで結ぶ。
とやま:人里近くの山
とをち:大和国十市郡(今の奈良県橿原市付近)の地。歌枕
すむ:月が澄む意と、里に住む意を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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月の澄む磯の松風冴え冴えて 白くも見ゆる雪の白浜
- 次の歌
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雲深きみ山の嵐冴え冴えて 生駒の嶽に霰降るらし