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笹の葉に霰さやぎてみ山辺の
嶺の木枯らししきりて吹きぬ

歌の意味
笹の葉に霰がざわざわと音を立て、山辺の峰の木枯らしがしきりに吹いた。
鑑賞
冬歌 350

詞書は前の歌に続き「霰」
 笹の葉に霰がざわざわと音を立てて降り、山辺の峰から木枯らしがしきりに吹いたと詠んだ歌である。前歌と同じく笹の葉に降る霰を詠み、そこに峰の木枯らしを加えて、冬の山の荒々しさを描いている。
 類従本ではこの歌を「一本及印本所載歌」の部に収め、結句を「しきりてぞ吹く」とする。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。

 初句「笹の葉に」は、前歌の初句と同じ「笹の葉」で始まり、霰の歌を詠み継いでいる。
 二句「霰さやぎて」の「さやぐ」は、ざわざわと音を立てるの意である。
 三句「み山辺の」は、山のあたりのの意で、「み」は美称である。
 四句「嶺の木枯らし」は、峰から吹く冷たく強い風をいう。
 結句「しきりて吹きぬ」は、しきりに吹いたの意で、完了の助動詞「ぬ」で言い切る。

さやぐ:ざわざわと音を立てる
みやまべ:山のあたり
こがらし:秋の末から冬にかけて吹く強く冷たい風
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
笹の葉のみ山もそよに霰降り 寒き霜夜を独りかも寝む
次の歌
夕月夜佐保の川風身にしみて 袖より過ぐる千鳥鳴くなり