- 歌の意味
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袖に吹きつける浦の松風がたえがたいほど冷たく、吹上の浜の月の下で、千鳥が鳴いている。
- 鑑賞
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冬歌 357
詞書「名所千鳥」
名所の千鳥という題で詠んだ歌である。袖に吹きつける浦の松風がたえがたいほど冷たく、紀伊国の吹上の浜を照らす月の下で千鳥が鳴いていると詠む。名所の吹上の浜に、月、松風、千鳥を取り合わせている。
初句「衣手に」は、袖にの意である。
二句「浦の松風」は、本巻の第三百五十四首の二句と同じ句である。
三句「冴えわびて」は、冷たさにたえかねるほどに冷え込んでの意である。
四句「吹上の月に」は字余りで、紀伊国の歌枕である吹上の浜を照らす月をいう。本巻の第三百十六首では「ふきあげ」を掛詞として用いたが、本歌では名所の題に応じて地名として詠んでいる。
結句「千鳥鳴くなり」は、本巻の第三百五十一首から続く同じ結句で、千鳥の歌の最後の一首となる。
ころもで:袖
さえわぶ:ひどく冷え込む、冷たさにたえかねる
ふきあげ:紀伊国(今の和歌山市)の吹上の浜。歌枕
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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風寒み夜の更けゆけば妹が島 かたみの浦に千鳥鳴くなり
- 次の歌
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水鳥の鴨の浮き寝のうきながら 玉藻の床に幾夜経ぬらむ