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みさご居る磯辺に立てるむろの木の
枝もとををに雪ぞ積もれる

歌の意味
みさごのいる磯辺に立っているむろの木の、枝もたわむほどに、雪が積もっている。
鑑賞
冬歌 360

詞書「雪」
 雪という題で詠んだ歌である。みさごのいる磯辺に立つむろの木の枝がたわむほどに、雪が積もっていると詠む。『万葉集』に見える鳥や木、言葉を用い、古風な調べで海辺の雪景を描いている。本歌から雪の歌が続いていく。
 類従本では詞書を「冬歌」とする。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。

 初句「みさご居る」は、海辺にすむ鷹の一種であるみさごがいるの意である。
 二句「磯辺に立てる」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、磯辺に立っているの意である。
 三句「むろの木の」は、磯辺に生える常緑樹のむろの木をいい、『万葉集』にも詠まれている。
 四句「枝もとををに」の「とををに」は、たわみしなうほどにの意で、『万葉集』に見える言葉である。
 結句「雪ぞ積もれる」は、係助詞「ぞ」を受けて存続の助動詞「り」の連体形「る」で結ぶ。

みさご:海辺にすむ鷹の一種
いそべ:海辺の岩場のあたり
むろのき:ヒノキ科の常緑樹ネズの古名
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
難波潟潮干に立てる葦鶴の 羽白妙に雪ぞ降りつつ
次の歌
奥山の岩根に生ふる菅の根の ころころに降れる白雪