- 歌の意味
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夕方になると、浦風が寒い。泊瀬の山には、雪が降っているらしい。
- 鑑賞
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冬歌 363
詞書は前の歌に続き「雪」
夕方になって浦風が寒いのを感じ、泊瀬の山には雪が降っているのだろうと推し量った歌である。前歌と同じく、身に感じる風の寒さから遠い山の雪を思いやっている。
この歌は『新続古今和歌集』に入集しており、同集では結句を「雪は降るらし」とする。類従本と定家所伝本では結句を「み雪降るらし」とする。賀茂真淵は、「泊瀬」に「海人小舟」とかけるのは枕詞であるのに、そこに浦風などを詠み合わせたのは、当時の人の誤りを受け継いだものであると評している。なお底本では「泊瀬」に「とませ」と読みを付すが、枕詞「海人小舟」の続きから「はつせ」と読む。
初句「夕されば」は、前歌と同じ初句で、次歌にも続く。
二句「浦風寒し」は、入り江を吹く風が寒いの意で、ここで句切れとなる。
三句「海人小舟」は、漁師の小舟が港に泊つことから「泊瀬」にかかる枕詞である。賀茂真淵は、二句の「浦風」と枕詞を詠み合わせたことを批判している。
四句「泊瀬の山に」は、大和国の初瀬の山をいう。
結句「雪ぞ降るらし」は、係助詞「ぞ」を受けて「らし」で結び、雪が降っているらしいと推し量る。前歌の結句と同じ推定である。
ゆふさる:夕方になる
あまをぶね:「泊瀬」にかかる枕詞。漁師の小舟が泊つ(停泊する)ことからいう
はつせ:大和国の初瀬。長谷寺がある
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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夕さればすず吹く嵐身にしみて 吉野の嶽にみ雪降るらし
- 次の歌
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夕されば潮風寒し波間より 見ゆる小島に雪は降りつつ