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夕されば潮風寒し波間より
見ゆる小島に雪は降りつつ

歌の意味
夕方になると、潮風が寒い。波の間から見える小島には、雪が降り続いている。
鑑賞
冬歌 364

詞書は前の歌に続き「雪」
 夕方になって潮風が寒くなり、波の間に見え隠れする小島に雪が降り続いていると詠んだ歌である。前の二首が見えない山の雪を推し量ったのに対し、本歌は目の前の海に浮かぶ小島の雪を詠んでいる。
 この歌は『続後撰和歌集』に入集している。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。

 初句「夕されば」は、前の二首と同じ初句で、夕べの雪の三首目にあたる。
 二句「潮風寒し」は、前歌の二句「浦風寒し」と同じ組み立てで、ここで句切れとなる。
 三句「波間より」は、波と波の間からの意である。
 四句「見ゆる小島に」は、波間に見える小さな島にの意である。次歌の四句にも「見ゆる」が用いられる。
 結句「雪は降りつつ」は、継続の「つつ」で止め、雪の降り続くさまに余情を残す。前の二首が「らし」で推し量ったのに対し、本歌では目に見える雪を詠む。

ゆふさる:夕方になる
なみま:波と波の間
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
夕されば浦風寒し海人小舟 泊瀬の山に雪ぞ降るらし
次の歌
山高み明け離れゆく横雲の 絶え間に見ゆる嶺の白雪