- 歌の意味
-
山が高いので、すっかり明けていく空にたなびく横雲の切れ間に、峰の白雪が見える。
- 鑑賞
-
冬歌 365
詞書は前の歌に続き「雪」
夜がすっかり明けていく空に横雲がたなびき、その切れ間から高い山の峰の白雪が見えると詠んだ歌である。明け方の光の中に浮かぶ雪の峰を、雲の絶え間からのぞく姿として捉えている。
この歌は『新勅撰和歌集』に入集している。
初句「山高み」は、「…み」の形で原因を表し、山が高いのでの意となる。
二句「明け離れゆく」は、夜がすっかり明けていくの意である。
三句「横雲の」は、明け方の空に横にたなびく雲をいう。
四句「絶え間に見ゆる」は、雲の切れ間に見えるの意で、前歌の四句「見ゆる小島に」と同じく「見ゆる」で目に入る景を示す。
結句「嶺の白雪」は体言止めで、雲間に見える雪を最後に示す。次歌も明け方の空に雪の峰を見る歌で、夜明けの雪が二首続く。
あけはなる:夜がすっかり明ける
よこぐも:横にたなびく雲。明け方の雲として詠まれる
- 作者
-
源実朝
- 出典
-
金槐和歌集
- 前の歌
-
夕されば潮風寒し波間より 見ゆる小島に雪は降りつつ
- 次の歌
-
見渡せば雲居はるかに雪白し 富士の高嶺のあけぼのの空