- 歌の意味
- 見渡すと、空のはるか遠くに雪が白く見える。富士の高嶺の、明け方の空よ。
- 鑑賞
-
冬歌 366
詞書は前の歌に続き「雪」
見渡すと、空のはるか遠くに富士の高嶺の雪が白く見える、明け方の空よと詠んだ歌である。東国に住む作者ならではの富士の雪景を、夜明けの空の広がりの中に描いている。
初句「見渡せば」は、遠くを見渡すとの意である。
二句「雲居はるかに」は、空のはるか遠くにの意である。
三句「雪白し」は、雪が白いと言い切り、ここで句切れとなる。
四句「富士の高嶺の」は、駿河国の富士山の高い峰をいう。
結句「あけぼのの空」は体言止めで、雪の白さが際立つ夜明けの空を示す。前歌の明け方の峰の雪に続き、本歌では富士の雪を詠む。本巻の第三百三十三首も「暁の空」と空で結んでいる。
くもゐ:雲のある所、はるかな空
あけぼの:夜がほのぼのと明けはじめるころ
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- 山高み明け離れゆく横雲の 絶え間に見ゆる嶺の白雪
- 次の歌
- 眺むれば寂しくもあるか煙立つ 室の八島の雪の下燃え