まきの戸をあさけの雲の衣手に
雪を吹き巻く山嵐の風
- 歌の意味
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槙の戸を開けた明け方、雲のたなびくなか、袖に雪を吹きつけて巻き上げる山嵐の風よ。
- 鑑賞
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冬歌 371
詞書は前の歌に続き「雪」
槙の戸を開けた明け方、雲のたなびくなかで、袖に雪を吹きつけて巻き上げる山嵐の風を詠んだ歌である。戸を開けたとたんに吹き込む雪と風の激しさを捉えている。
底本の注記によれば、定家所伝本では二句を「朝あけの雲の」、結句を「山おろしの風」とし、類従本では結句を「山下風のかぜ」とする。ここでは底本の本文に従う。
初句「まきの戸を」は、杉や檜の板で作った戸をいい、戸を開ける意で二句の「あさけ」へ続く。
二句「あさけの雲の」の「あさけ」は、明け方の意の「朝明け」と、戸を開ける意の「開け」を掛けた掛詞である。
三句「衣手に」は、袖にの意である。
四句「雪を吹き巻く」は、雪を吹きつけて巻き上げるの意である。
結句「山嵐の風」は字余りで、体言止めで結ぶ。次歌の結句も同じ「山嵐の風」で、二首が山から吹く雪まじりの風を詠む。
まき:杉や檜などの良質な木
あさけ:明け方の意の「朝明け」と、戸を開ける意の「開け」を掛ける
ころもで:袖
やまあらし:山から吹きおろす激しい風
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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巻向の檜原の嵐冴え冴えて 弓月が嶽に雪降りにけり
- 次の歌
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払へただ雪分け衣緯を薄み 積もれば寒し山嵐の風