- 歌の意味
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ただ払っておくれ。雪を分けて行く衣は横糸が薄いので、雪が積もれば寒い。山嵐の風よ。
- 鑑賞
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冬歌 372
詞書は前の歌に続き「雪」
雪を分けて山道を行く人が、薄い衣に積もる雪を、山嵐の風よ、ただ払っておくれと呼びかけた歌である。前歌で雪を吹きつけた山嵐に、今度は雪を払ってくれと頼む形になっている。
類従本では結句を「山おろしの風」とする。賀茂真淵は初句の「払へただ」という言い方を後世風であると評している。
初句「払へただ」は、ただ払っておくれの意で、命令の形で山嵐に呼びかけ、ここで句切れとなる。賀茂真淵が後世風と評した句である。
二句「雪分け衣」は、雪を分けて行くときに着る衣をいう。
三句「緯を薄み」は、「…を…み」の形で原因を表し、横糸が薄いのでの意となる。
四句「積もれば寒し」は、雪が積もると寒いの意である。
結句「山嵐の風」は前歌と同じ結句で、初句の呼びかけの相手を最後に示す倒置の構成である。前歌で雪を吹きつけた風に、本歌では雪を払ってくれと頼んでいる。
ゆきわけごろも:雪を分けて行くときに着る衣
ぬき:織物の横糸
やまあらし:山から吹きおろす激しい風
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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まきの戸をあさけの雲の衣手に 雪を吹き巻く山嵐の風
- 次の歌
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山里は冬こそことにわびしけれ 雪踏み分けて訪ふ人もなし