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おのづから寂しくもあるか山深み
草の庵の雪の夕暮れ

歌の意味
おのずと寂しく感じられることだ。山が深いので、草の庵に雪の降る夕暮れは。
鑑賞
冬歌 375

詞書は前の歌に続き「雪」
 山が深いので、草の庵に雪の降る夕暮れは、おのずと寂しく感じられると詠んだ歌である。山奥の庵、雪、夕暮れと、寂しさを誘うものを重ねている。
 類従本と定家所伝本では四句を「苔の庵の」とする。

 初句「おのづから」は、自然と、ひとりでにの意である。
 二句「寂しくもあるか」の「か」は詠嘆で、ここで句切れとなる。本巻の第三百六十七首の二句と同じ句である。
 三句「山深み」は、「…み」の形で原因を表し、山が深いのでの意となる。
 四句「草の庵の」は、草で造った粗末な住まいをいう。前歌の「我が庵」を受けている。
 結句「雪の夕暮れ」は体言止めで、寂しさの極まる時を最後に示す。本巻の第三百八十二首、第三百八十三首、第三百九十首も同じ結句で結ぶ。

いほり:草や木で造った粗末な小屋
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
我が庵は吉野の奥の冬ごもり 雪降り積みて訪ふ人もなし
次の歌
我のみぞ悲しとは思ふ波のよる 山の額に雪の降れれば