降る雪をいかにあはれと眺むらむ
心は思ふとも足立たずして
- 歌の意味
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降る雪を、あなたはどんなにしみじみと眺めていることだろう。心では出かけたいと思っても、足が立たないままで。
- 鑑賞
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冬歌 385
詞書「足にわづらふ事ありて入りこもりし人の許に雪降りし日よみて遣はす」
足を患って家に引きこもっていた人のもとに、雪の降った日に詠んで贈った歌である。降る雪をどんなにしみじみと眺めていることだろうか、心では雪見に出たいと思っても足が立たないままでと、相手の身を思いやっている。
類従本では詞書を「……入こもれりし……よみて遣す歌」とし、この歌を雑部に収める。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。底本は四句の「思」に「も」と読みを付し、〔ママ〕と注しているので、ここでは「思ふ」を「もふ」と読む。
初句「降る雪を」は、雪の降った日に贈ったことを受け、相手の眺める雪を示す。
二句「いかにあはれと」は、どれほどしみじみと心を動かしてと相手の心を思いやる言葉である。
三句「眺むらむ」は、現在推量の「らむ」で、今ごろ眺めているだろうと推し量り、ここで句切れとなる。
四句「心は思ふとも」は、心では思っても、の意で、底本の読みに従って「もふ」と読む。
結句「足立たずして」は、足が立たないままでの意で、詞書の足の病を受けて相手の身を気づかっている。
いりこもる:家の中に引きこもる
ながむ:もの思いにふけりながらじっと見る
つかはす:贈る、届けさせる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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今日もまた独り眺めて暮れにけり 頼めぬ宿の庭の白雪
- 次の歌
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主知れと引きける駒の雪を分けば 賢き跡に帰れとぞ思ふ