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炭がまの煙も寂し大原や
ふりにし里の雪の夕暮れ

歌の意味
炭竈から立つ煙も寂しい。大原の古びた里に、雪の降る夕暮れよ。
鑑賞
冬歌 390

詞書は前の歌に続き「炭竈」
 炭竈から立ちのぼる煙までも寂しく見えると、大原の古びた里の雪の夕暮れを詠んだ歌である。炭焼きの里として知られた大原の、雪に包まれた夕べの寂しさを描いている。

 初句「炭がまの」は、炭を焼くかまのの意である。前の二首に続き、炭焼きの歌の三首目にあたる。
 二句「煙も寂し」は、炭竈の煙までも寂しいの意で、ここで句切れとなる。
 三句「大原や」は、山城国の大原をいい、炭焼きで知られる。「や」は詠嘆の間投助詞である。
 四句「ふりにし里の」の「ふり」は、古くなる意の「古り」と、雪が降る意の「降り」を掛けた掛詞である。
 結句「雪の夕暮れ」は、本巻の第三百七十五首、第三百八十二首、第三百八十三首と同じ結句で、体言止めで結ぶ。

すみがま:炭を焼くかま
おほはら:山城国(今の京都市左京区)の大原。炭焼きで知られる
ふる:古くなる意と、雪が降る意を掛ける
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
雪降りて今日とも知らぬ奥山に 炭焼く翁あはれはかなみ
次の歌
身に積もる罪やいかなる罪ならむ 今日降る雪と共に消ななむ