とりもあへずはかなく暮れて行く年の
しばしとどむる関守もがな
- 歌の意味
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何をする間もなく、はかなく暮れて去っていく年を、しばらくの間でも引きとめる関守がいればよいのに。
- 鑑賞
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冬歌 398
詞書は前の歌に続き「歳暮」
何をする間もなく、はかなく暮れて去っていく年を、しばらくでも引きとめてくれる関守がいればよいのにと詠んだ歌である。去りゆく年を旅人に見立て、関所で引きとめたいという願いを詠んでいる。
底本の注記によれば、類従本と定家所伝本では三四句を「行く年をしばしとどめん」とする。ここでは底本の本文に従う。
初句「とりもあへず」は字余りで、何をする間もなく、とりあえずの意である。
二句「はかなく暮れて」は、はかなく暮れての意である。
三句「行く年の」は前歌と同じ三句で、去っていく年をいう。
四句「しばしとどむる」は、しばらくの間引きとめるの意である。
結句「関守もがな」の「もがな」は願望の終助詞で、関守がいればよいのにと願う。前歌の第三百九十六首で年の来ない隠れ家を願ったのに対し、本歌では去る年を引きとめる関守を願っている。
せきもり:関所の番人
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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塵をだに据ゑじとや思ふ行く年の 跡なき庭を払ふ松風
- 次の歌
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武士の八十宇治川を行く水の 流れて早き年の暮れかな