武士の八十宇治川を行く水の
流れて早き年の暮れかな
- 歌の意味
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宇治川を流れて行く水のように、流れるように早く過ぎていく年の暮れであることよ。
- 鑑賞
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冬歌 399
詞書は前の歌に続き「歳暮」
宇治川を流れて行く水のように、流れるように早く過ぎていく年の暮れであると詠んだ歌である。宇治川の速い流れに、あっという間に過ぎ去った一年の速さを重ねている。
この歌は『新勅撰和歌集』に入集している。『万葉集』の柿本人麻呂の歌「もののふの八十宇治川の網代木にいさよふ波のゆくへ知らずも」の初二句を用いている。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。
初句「武士の」は、多くの氏の意の「八十氏」から「宇治」にかかる枕詞である。本巻の第三百四十八首の初句も同じ「もののふの」で始まる。
二句「八十宇治川を」は、山城国の宇治川をいい、人麻呂の歌の二句を用いている。
三句「行く水の」は、流れて行く水のようにの意で、ここまでが四句の「流れて早き」を導く序詞となっている。
四句「流れて早き」は、水の流れの速さと、時の過ぎる速さを重ねている。
結句「年の暮れかな」の「かな」は詠嘆で、次歌、次々歌も同じ結句で結び、年の暮れの歌が三首続く。
もののふの:「八十(やそ)」「宇治」などにかかる枕詞
うぢがは:山城国(今の京都府宇治市)を流れる川
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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とりもあへずはかなく暮れて行く年の しばしとどむる関守もがな
- 次の歌
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白雪のふるの山なる杉村の 過ぐる程なき年の暮れかな