葛城や雲をこだかみ雪白し
あはれと思ふ年の暮れかな
- 歌の意味
-
葛城山は雲よりも高いので、雪が白く見える。しみじみと感じ入る、年の暮れであることよ。
- 鑑賞
-
冬歌 401
詞書は前の歌に続き「歳暮」
葛城山は雲よりも高くそびえているので、山頂の雪が白く見えると詠み、しみじみと胸にしみる年の暮れであることだと結んだ歌である。高い山の白雪を仰ぎながら、過ぎゆく年に感慨を覚えている。
底本の注記によれば、定家所伝本では二句の「雲」を「山」とし、類従本と定家所伝本では四五句を「あはれぞ思ふ年の暮れぬる」とする。ここでは底本の本文に従う。
初句「葛城や」は、大和国と河内国の境の葛城山をいい、「や」は詠嘆の間投助詞である。本巻の第三百六十八首の三句と同じ語である。
二句「雲をこだかみ」は、「…を…み」の形で原因を表し、雲よりも高いのでの意となる。
三句「雪白し」は、雪が白いと言い切り、ここで句切れとなる。本巻の第三百六十六首の三句と同じ句である。
四句「あはれと思ふ」は、しみじみと感じ入るの意である。
結句「年の暮れかな」は、前の二首と同じ結句で、年の暮れの歌の三首目にあたる。
かづらき:大和国と河内国の境の葛城山
- 作者
-
源実朝
- 出典
-
金槐和歌集
- 前の歌
-
白雪のふるの山なる杉村の 過ぐる程なき年の暮れかな
- 次の歌
-
老いらくの頭の雪をとどめ置きて はかなの年や暮れてゆくらむ