ぬば玉のこの夜な明けそしばしばも
まだふる年のうちぞ思はむ
- 歌の意味
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この夜よ、明けないでくれ。しばらくの間でも、まだ去りゆく年のうちだと思っていよう。
- 鑑賞
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冬歌 404
詞書は前の歌に続き「歳暮」
大晦日の夜に、この夜よ明けないでくれ、しばらくでもまだ去りゆく年のうちだと思っていたいと詠んだ歌である。前歌に続いて、年の最後の夜を惜しむ心を詠んでいる。
この歌は『玉葉和歌集』に入集している。類従本では結句を「うちと思はん」とする。底本の注記によれば、原本では「うちそ思はん」とあり、誤脱であろうとされる。ここでは底本の本文に従う。
初句「ぬば玉の」は、「夜」にかかる枕詞である。
二句「この夜な明けそ」は、「な…そ」の形で禁止を表し、この夜よ明けるなの意となる。ここで句切れとなる。
三句「しばしばも」は、しばらくの間でもの意である。
四句「まだふる年の」の「ふる年」は、去りゆく年、旧年をいう。
結句「うちぞ思はむ」は、係助詞「ぞ」を受けて意志の助動詞「む」の連体形で結び、まだ年のうちだと思っていようと言う。前歌が今夜明けたならばと嘆いたのを受けて、本歌は夜よ明けるなと願っている。
ぬばたまの:「夜」「黒」などにかかる枕詞
ふるとし:去っていく年、旧年
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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はかなくて今夜明けなば行く年の 思ひ出もなき春にや逢はなむ
- 次の歌
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乳房吸うまだいとけなき緑子の 共に泣きぬる年の暮れかな