思ひのみ深きみ山の郭公
人こそ知らね音をのみぞ鳴く
- 歌の意味
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物思いばかりが深い、その深い山のほととぎすのように、人は知らないけれども、私は声をあげて泣いてばかりいる。
- 鑑賞
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恋歌 408
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
深い山に鳴くほととぎすに自らを重ね、思いばかりが深くて相手に知られることもないまま、声をあげて泣くばかりだと詠んだ歌である。ほととぎすの鳴き声と、恋に泣く自分の声とを一つにしている。
初句「思ひのみ」は、物思いばかりがの意で、「のみ」は限定の副助詞である。
二句「深きみ山の」は、思いが深いことと山が深いこととを重ねて「み山」へとつなぐ。
三句「郭公」は、深山で鳴くほととぎすで、ここまでが結句の「鳴く」を導く。
四句「人こそ知らね」の「こそ」は係助詞で、「知らね」と已然形で結び、逆接で下へ続く。人は知らないけれどもの意である。前歌の散る花から夏の鳥へと景物が移っている。
結句「音をのみぞ鳴く」は、声をあげて泣いてばかりいるの意で、「ぞ」は係助詞、「鳴く」は連体形で結ぶ。ほととぎすが鳴くことと、自分が泣くこととを重ねている。
みやま:奥深い山
ねをなく:声をあげて泣く
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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春深み峰の嵐に散る花の 定めなき夜に恋妻ぞする
- 次の歌
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小鹿伏す夏野の草の露よりも 知らじなしげき思ひありとは