- 歌の意味
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山が茂っているので木の下に隠れて流れてゆく水の音のように、あの人のうわさを聞いてから、私は忘れることがあろうか、いや忘れはしない。
- 鑑賞
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恋歌 411
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
木の下に隠れて流れる山水の音を、うわさにだけ聞いた人にたとえ、その音を聞いてからは忘れることなどないと詠んだ歌である。姿は見えず音だけが聞こえる谷水に、まだ逢わない人への思いを託している。
初句「山しげみ」は、山の木々が茂っているのでの意で、「み」は原因や理由を表す。前歌の「しげき」を受けて、茂る景が続いている。
二句「木の下がくれ」は、木の下に隠れての意である。
三句「行く水の」は、流れてゆく水のの意で、ここまでが「音」を導く序詞である。
四句「音聞きしより」は、水の音と人のうわさとを重ね、うわさを聞いてからの意となる。
結句「我や忘るる」の「や」は反語の係助詞で、「忘るる」と連体形で結ぶ。私が忘れることがあろうか、いや忘れないの意である。
したがくる:物の下に隠れる
おと:音、うわさ
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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わが恋はみ山の松に這ふ葛の しげきを人の問はずぞありける
- 次の歌
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夏深き森の空蟬おのれのみ むなしき恋に身を砕くらむ