逢ふ事を雲居のよそに行く雁の
遠ざかればや声も聞こえぬ
- 歌の意味
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逢うことを遠い空のかなたのものとして飛んでゆく雁のように、あの人が遠ざかったからだろうか、声さえも聞こえない。
- 鑑賞
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恋歌 417
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
逢うことははるか雲のかなたのように遠くなり、空を遠ざかってゆく雁の声が聞こえなくなるように、あの人の便りも絶えてしまったと詠んだ歌である。雁の声の遠のきに、恋人との隔たりを重ねている。
初句「逢ふ事を」は、逢うことをの意で、逢瀬が遠いものになったことをいう。
二句「雲井のよそに」は、空のはるかかなたのよそにの意で、逢うことが手の届かないものになったことを表す。
三句「行く雁の」は、飛んでゆく雁のようにの意である。前歌の雁を受けている。
四句「遠ざかればや」の「ば」は原因、「や」は疑問の係助詞で、結句の「ぬ」と連体形で結ぶ。遠ざかったからだろうかの意である。
結句「声もきこえぬ」は、雁の声も、あの人の声も聞こえないの意で、打消の「ぬ」は連体形で「や」を受けている。
くもゐ:空、雲のかなた
よそ:遠く離れた所、無関係な所
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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さ夜更けて雁の翼に置く霜の 消えても物は思ふかぎりを
- 次の歌
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奥山の草踏み鳴らすさを鹿も 深き心のほどは知らなむ