奥山の草踏み鳴らすさを鹿も
深き心のほどは知らなむ
- 歌の意味
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奥山の草を踏み鳴らして妻を求めるさお鹿でさえも、深い思いのほどは知ってほしいものだ。
- 鑑賞
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恋歌 418
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
奥山の草を踏み分けて妻を求めて鳴く牡鹿でさえ知っているような深い恋心のほどを、あの人にこそ知ってほしいと願った歌である。妻恋いの鹿に自分の思いを重ねている。
底本の注記によれば、類従本と定家所伝本では二句の「草」を「苔」とする。ここでは底本の本文に従う。
初句「おく山の」は、奥深い山のの意である。
二句「草ふみならす」は、草を踏みしだいて平らにするの意で、妻を求めて山中を歩き回る鹿の姿をいう。
三句「さを鹿も」は、牡鹿もの意で、「さ」は接頭語である。巻頭近くの第四百九首の「小鹿」と同じく、恋の思いを鹿に寄せている。
四句「ふかき心の」は、深い思いのの意で、奥山の深さと心の深さとを重ねている。
結句「ほどは知らなむ」の「なむ」は他に対する願望の終助詞で、知ってほしいの意である。
ふみならす:踏んで平らにする
さをしか:牡鹿
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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逢ふ事を雲居のよそに行く雁の 遠ざかればや声も聞こえぬ
- 次の歌
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はみ上る鮎住む川の瀬を早み 早くや君に恋ひ渡りなむ