はみ上る鮎住む川の瀬を早み
早くや君に恋ひ渡りなむ
- 歌の意味
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餌をはみながらさかのぼる鮎が住む川の瀬が速いように、早くもあなたを恋い続けることになるのだろうか。
- 鑑賞
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恋歌 419
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
餌をはみながら急流をさかのぼる鮎の住む川の、瀬の速さから「早く」を引き出し、早くもあなたを恋い続けることになるのかと詠んだ歌である。川の流れの勢いに、すぐに燃え上がる恋心を重ねている。
類従本では「一本及印本所載歌」の部に収める。
初句「はみのぼる」は、餌をはみながら川をさかのぼるの意である。
二句「鮎すむ川の」は、鮎が住む川のの意である。
三句「瀬を早み」は、瀬の流れが速いのでの意で、「を〜み」は原因や理由を表す。ここまでが同音の「早く」を導く序詞である。
四句「早くや君に」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「なむ」と連体形で結ぶ。前句の「早み」と「早く」の同音の繰り返しが調子を生んでいる。
結句「恋ひ渡りなむ」は、恋い続けることになるだろうの意で、「渡る」は時を経て続ける意である。
はむ:食べる
こひわたる:恋い続ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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奥山の草踏み鳴らすさを鹿も 深き心のほどは知らなむ
- 次の歌
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君に恋ひうらぶれ居れば秋風に なびく浅茅の露ぞ消ぬべき