君に恋ひうらぶれ居れば秋風に
なびく浅茅の露ぞ消ぬべき
- 歌の意味
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あなたを恋い慕ってしおれていると、秋風になびく浅茅に置く露のように、私は今にも消えてしまいそうだ。
- 鑑賞
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恋歌 420
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
恋しさに打ちしおれている自分を、秋風になびく浅茅の葉末の露にたとえ、今にも消えてしまいそうだと詠んだ歌である。万葉集の語を用いた素朴な調べの一首である。
この歌は『風雅和歌集』に入集している。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。
初句「君にこひ」は、あなたを恋い慕っての意である。
二句「うらぶれをれば」は、心がしおれて悲しんでいるとの意で、万葉集に見られる語である。
三句「秋風に」は、秋の風にの意で、秋の寂しさを添える。前歌の川の景から秋の野へと移っている。
四句「なびくあさぢの」は、風になびく丈の低い茅のの意である。
結句「露ぞけぬべき」の「ぞ」は係助詞で、「べき」と連体形で結ぶ。露が消えてしまいそうだの意で、自分の命が消え入りそうなことを重ねている。
うらぶる:心がしおれて悲しむ
あさぢ:丈の低い茅
く:消える
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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はみ上る鮎住む川の瀬を早み 早くや君に恋ひ渡りなむ
- 次の歌
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秋の野に置く白露の朝な朝な はかなくてのみ消えや返らむ