物思はぬ野辺の草木の葉にだにも
秋の夕べは露ぞ置きける
- 歌の意味
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物思いなどしない野辺の草木の葉にさえ、秋の夕べには露が置いていることだ。まして物思う私の袖には涙の露が置くのは当然である。
- 鑑賞
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恋歌 423
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
物思いをしない草木の葉にさえ秋の夕べには露が置くのだから、まして恋に悩む自分の袖が涙に濡れるのは当然だと、言外に涙を示した歌である。秋の夕暮れの寂しさを、恋の悲しみに結びつけている。
初句「物思はぬ」は、物思いをしないの意で、草木を心を持たないものとして示す。
二句「野辺の草木の」は、野原の草や木のの意である。前二首に続いて秋の野の景である。
三句「葉にだにも」の「だに」は、軽いものを挙げて重いものを類推させる副助詞で、葉にさえもの意となる。
四句「秋の夕べは」は、秋の夕暮れにはの意で、もの悲しい時刻を示す。
結句「露ぞおきける」の「ぞ」は係助詞で、「ける」と連体形で結ぶ。「けり」は詠嘆で、露が置いていることに気づいた感慨を表し、言外に涙の露を示している。
のべ:野原
ものおもふ:物思いをする
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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秋の野の花の千草に物思ふ 露よりもしげき色は見えねど
- 次の歌
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あしひきの山の尾上に刈る萱の 束の間もなく乱れてぞ思ふ