あしひきの山の尾上に刈る萱の
束の間もなく乱れてぞ思ふ
- 歌の意味
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山の峰で刈る萱の束のように、ほんの少しの間もなく、心が乱れて物思いをすることだ。
- 鑑賞
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恋歌 424
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
山の峰で刈り取る萱の束から「束の間」を引き出し、片時も休まず心が乱れて恋に思い悩むと詠んだ歌である。乱れやすい萱の葉に、乱れる恋心を重ねている。
底本は二句の「尾上」に「岡べ」と傍記し、類従本と定家所伝本では二句を「山の岡べに」とする。また底本の注記によれば、定家所伝本では四句に異同がある。ここでは底本の本文に従う。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。
初句「あしひきの」は、「山」にかかる枕詞である。
二句「山の尾上に」は、山の峰の上での意である。
三句「刈る萱の」は、刈り取る萱のの意で、ここまでが萱の「束」から「束の間」を導く序詞である。
四句「束の間もなく」は、ほんのわずかな間もなくの意で、萱の束と短い時間とを重ねる。
結句「乱れてぞ思ふ」の「ぞ」は係助詞で、「思ふ」と連体形で結ぶ。刈った萱が乱れるように心が乱れることをいう。前歌の野の草木から山の萱へと移っている。
をのへ:山の峰
かるかや:刈り取った萱、また萱の一種
つか:一握りの長さ、束
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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物思はぬ野辺の草木の葉にだにも 秋の夕べは露ぞ置きける
- 次の歌
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聞かでただあらましものを夕月夜 人だのめなる荻の上風