わが恋は天の原飛ぶ葦鶴の
雲居にのみや鳴き渡りなむ
- 歌の意味
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私の恋は、大空を飛ぶ鶴のように、手の届かない遠い所でばかり泣き続けることになるのだろうか。
- 鑑賞
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恋歌 434
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
大空を鳴きながら渡る鶴のように、自分の恋は手の届かない雲の上のような所でばかり泣き続けるのだろうかと嘆いた歌である。高く遠い恋の相手を思わせる。
底本は結句に「渡るらん」と傍記し、類従本では結句を「啼きわたらん」とする。ここでは底本の本文に従う。
初句「わが恋は」は、私の恋はの意である。
二句「あまの原とぶ」は、大空を飛ぶの意で、本巻の第四百三十一首の「天の原」と同じ語である。
三句「あしたづの」は、葦辺にいる鶴のようにの意である。前歌の「たづ」を受けている。
四句「雲井にのみや」の「雲井」は空の意で、宮中や高貴な所も思わせる。「や」は疑問の係助詞で、結句の「なむ」と連体形で結ぶ。
結句「なき渡りなむ」は、鳴きながら渡ってゆくことと、泣き続けることとを重ねている。
あしたづ:葦辺にいる鶴
くもゐ:空、また宮中など遠く高い所
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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久方の天の川原に住む鶴も 心にあらぬ音をや鳴くらむ
- 次の歌
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今さらにわが名は立たじ瓦屋の 下焚く煙くゆりわぶとも