今さらにわが名は立たじ瓦屋の
下焚く煙くゆりわぶとも
- 歌の意味
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今さら私の浮き名は立つまい。瓦を焼く小屋の下で焚く煙がくすぶるように、心の中で思い悩もうとも。
- 鑑賞
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恋歌 435
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
瓦焼き小屋の下でくすぶる煙のように、たとえ胸の内で思いにくすぶり悩んでも、今さら浮き名が立つようなことはするまいと、忍ぶ恋の決意を詠んだ歌である。
類従本では「一本及印本所載歌」の部に収める。
初句「今さらに」は、今になってとの意である。
二句「わが名は立たじ」は、私の浮き名は立つまいの意で、「じ」は打消の意志である。ここで句切れとなる。
三句「瓦屋の」は、瓦を焼く小屋のの意である。前歌までの空の景から地上の煙へと移る。
四句「下たく烟」は、下で焚く煙の意で、外に現れない胸の内の思いを重ねている。
結句「くゆりわぶとも」は、くすぶって思い悩もうともの意で、「くゆる」は煙がくすぶることと思いに悩むこととを重ねる。
かはらや:瓦を焼くかまど小屋
くゆる:煙がくすぶる、思い悩む
わぶ:思い悩む
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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わが恋は天の原飛ぶ葦鶴の 雲居にのみや鳴き渡りなむ
- 次の歌
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藻塩焼く海人の焚く火のほのかにも わが思ふ人を見るよしもがな