- 歌の意味
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私の恋は、初山の山藍で摺り染めた衣の乱れ模様のように、人は知らないけれども、心乱れて思っている。
- 鑑賞
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恋歌 437
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
山藍で乱れ模様に摺り染めた衣のように、人には知られないまま心乱れて恋い思っていると詠んだ歌である。摺り衣の乱れ模様と恋の乱れとを重ねた、王朝和歌の伝統を踏まえた一首である。
この歌は『続後撰和歌集』に入集している。底本の注記によれば、類従本では二句に異同がある。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。
初句「わが恋は」は、私の恋はの意で、前々々歌の第四百三十四首と同じ歌い出しである。
二句「初山あゐの」は、初山で採れる山藍のの意である。
三句「すり衣」は、草木の汁で模様を摺り付けた衣の意で、乱れ模様から「みだれ」を導く序詞となっている。
四句「人こそ知らね」の「こそ」は係助詞で、「知らね」と已然形で結び、逆接で下へ続く。本巻の第四百八首の四句と同じ句である。
結句「みだれてぞおもふ」の「ぞ」は係助詞で、「おもふ」と連体形で結ぶ。第四百二十四首と同じ結句である。
やまあゐ:染料に用いる植物
すりごろも:草木の汁で模様を摺り染めた衣
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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藻塩焼く海人の焚く火のほのかにも わが思ふ人を見るよしもがな
- 次の歌
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あしひきの山に住むてふ山賤の 心も知らぬ恋もするかな