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あしひきの山に住むてふ山賤の
心も知らぬ恋もするかな

歌の意味
山に住むという山がつの心がわからないように、相手の心もわからない恋をすることだなあ。
鑑賞
恋歌 438

詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
 山奥に住むという木こりや猟師の心がうかがい知れないように、相手の心もわからないまま恋をしていると詠んだ歌である。
 類従本では「一本及印本所載歌」の部に収める。賀茂真淵はこの歌に合点を付し、万葉集の言葉であると評している。

 初句「あしひきの」は、「山」にかかる枕詞である。
 二句「山に住むてふ」は、山に住むというの意で、「てふ」は「といふ」がつまった形である。
 三句「山がつの」は、山で暮らす木こりや猟師のの意で、ここまでが「心も知らぬ」を導く序詞である。
 四句「心も知らぬ」は、相手の心もわからないの意である。
 結句「恋もするかな」の「かな」は詠嘆で、本巻の第四百三十一首と同じ結句である。

やまがつ:山で暮らす木こりや猟師
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
わが恋は初山藍の摺り衣 人こそ知らね乱れてぞ思ふ
次の歌
奥山のたつきも知らぬ君により わが心から迷ふべらなり