奥山の末のたつきもいざ知らず
妹に逢はずて年の経ゆけば
- 歌の意味
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奥山の奥へ分け入る手がかりもわからないように、この先どうなるかもわからない。いとしい人に逢わないまま年が過ぎてゆくので。
- 鑑賞
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恋歌 440
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
奥山の果てへ分け入る手がかりもないように、恋の行く末もわからないと詠み、逢えないまま年月が過ぎてゆく不安を表した歌である。前歌と同じく「おく山」「たつき」の語を用いている。
底本は結句の「経」に「行へ」と傍記する。ここでは底本の本文に従う。
初句「おく山の」は、前歌と同じ初句である。
二句「末のたつきも」は、奥の果てまで行く手がかりもの意で、恋の行く末を重ねている。前歌の二句の「たつきもしらぬ」を受けている。
三句「いざ知らず」は、さあどうだかわからないの意で、ここで句切れとなる。
四句「妹にあはずて」は、いとしい人に逢わないままでの意で、「ずて」は打消の連用形に「て」が付いた万葉語である。
結句「年の経ゆけば」は、年が過ぎてゆくのでの意である。前歌の心の迷いを、年月の尺度に広げている。
たづき:手がかり、手立て
いも:男性が恋人や妻を親しんで呼ぶ語
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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奥山のたつきも知らぬ君により わが心から迷ふべらなり
- 次の歌
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白真弓磯辺の山の松の色の 常磐に物を思ふころかな