- 歌の意味
- 葦辺の鴨が騒ぐ入江の浮草のように、憂いに浮かれ漂いながら、物思いをし続けるのだろうか。
- 鑑賞
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恋歌 442
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
葦辺の鴨が騒ぐ入江に漂う浮草のように、落ち着くところもなく憂いの中で恋の物思いを続けるのだろうかと詠んだ歌である。
初句「あし鴨の」は、葦の生えた水辺にいる鴨のの意である。
二句「さわぐ入江の」は、鴨が騒ぐ入江のの意で、心の騒ぎを思わせる。
三句「浮草の」は、水に浮かぶ草のようにの意で、ここまでが「うき」を導く序詞である。
四句「うきてやものを」は、浮草が浮くことと憂きこととを掛ける。「や」は疑問の係助詞で、結句の「む」と連体形で結ぶ。
結句「おもひわたらむ」は、思い続けるのだろうかの意である。前歌の松の常緑に対し、根のない浮草で定まらない心を表している。
あしがも:葦辺にいる鴨
うく:水に浮かぶ意と、憂し(つらい)の意を掛ける
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- 白真弓磯辺の山の松の色の 常磐に物を思ふころかな
- 次の歌
- 沖つ鳥鵜の住む石に寄る波の 間なくも思ふ我ぞ悲しき