漏らしわびぬ信夫の奥の山深み
木隠れて行く谷川の水
- 歌の意味
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思いを漏らしかねている。信夫の奥の山が深いので、木の陰に隠れて流れてゆく谷川の水のように。
- 鑑賞
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恋歌 450
詞書は前の歌に続き「恋の歌の中に」
陸奥の信夫の奥深い山で木陰に隠れて流れる谷川の水のように、忍ぶ思いを人に漏らすこともできずにいると詠んだ歌である。「しのぶ」に地名と忍ぶ恋とを重ねている。
賀茂真淵はこの歌を後世風であると評している。
初句「もらしわびぬ」は、漏らしかねているの意で、字余りである。ここで句切れとなり、以下は倒置によって比喩を示す。
二句「しのぶの奥の」は、陸奥の歌枕である信夫の奥のの意で、忍ぶ恋の意を掛けている。
三句「山深み」は、山が深いのでの意で、「み」は原因や理由を表す。
四句「木がくれて行く」は、木の陰に隠れて流れてゆくの意で、人目に隠れた恋を重ねる。本巻の第四百十四首の初句と同じ語である。
結句「谷川の水」は体言止めである。前歌の石間を伝う山水に続き、隠れて流れる水が詠まれている。
しのぶ:陸奥の地名の信夫と、忍ぶ恋の意を掛ける
もらす:秘めた思いを人に知らせる
わぶ:〜しかねる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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苔深き石間を伝ふ山水の 音こそ立てね年は経にけり
- 次の歌
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それをだに思ふ事とてちはやぶる 神の社に祈がぬ日はなし