- 歌の意味
- 豊国の企救の長浜のように長々と、夢にさえまだ見たことのない人を恋い続けるのだろうか。
- 鑑賞
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恋歌 453
詞書「名所の恋の心をよめる」
豊国の企救の長浜という歌枕を詠み込み、その浜の長さのように長く、夢でさえまだ見たことのない人を恋い続けるのだろうかと詠んだ歌である。ここから名所に寄せた恋の歌が続く。
類従本では「恋のうた」と題する。
初句「とよ国の」は、現在の福岡県東部から大分県にあたる豊国のの意である。
二句「きくのながはま」は、豊前国の企救の長浜で、浜の長さから恋の長く続くことを導く。
三句「夢にだに」は、夢にさえの意で、「だに」は最小限のものを挙げる副助詞である。
四句「まだみぬ人に」は、まだ逢ったことのない人にの意で、うわさだけで恋する心を表す。
結句「恋やわたらむ」の「や」は疑問の係助詞で、「む」と連体形で結ぶ。本巻の第四百四十八首と同じ結句で、以下の名所の歌にも同じ結句が続く。
こひわたる:恋い続ける
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- よそにてもあるべきものをなかなかに 何しか人に睦れそめけむ
- 次の歌
- 大荒木の浮田の森に引く標の うちはへてのみ恋や渡らむ