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淡路島通ふ千鳥のしばしばも
羽掻く間なく恋や渡らむ

歌の意味
淡路島に通う千鳥がしきりに羽ばたくように、絶え間なく恋い続けるのだろうか。
鑑賞
恋歌 456

詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
 淡路島へ通う千鳥がしきりに羽ばたく絶え間のなさのように、休みなく恋い続けるのだろうかと詠んだ歌である。
 類従本では「海の辺の恋」と題する。底本の注記によれば、類従本と定家所伝本では三句に異同がある。ここでは底本の本文に従う。

 初句「淡路島」は、瀬戸内海の淡路島の意で、千鳥の名所として知られる。
 二句「かよふ千鳥の」は、行き来する千鳥のの意である。
 三句「しばしばも」は、たびたびの意で、千鳥の羽ばたきのしきりなことを表す。
 四句「羽かくまなく」は、羽ばたく間もないほど絶え間なくの意である。
 結句「恋やわたらむ」は、本巻の第四百五十三首から続く同じ結句で、千鳥が海を渡ることとも響き合う。

はねかく:羽ばたく
まなし:絶え間がない
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
石上ふるの高橋古りぬとも 元つ人には恋や渡らむ
次の歌
難波潟浦よりをちに鳴く鶴の よそに聞きつつ恋や渡らむ