海人衣田蓑の島に鳴く鶴の
声聞きしより忘れかねつも
- 歌の意味
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田蓑の島で鳴く鶴の声を聞いてからというもの、あの人を忘れることができないでいる。
- 鑑賞
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恋歌 458
詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
田蓑の島で鳴く鶴の声を聞いてから忘れられないように、あの人のうわさを聞いて以来、忘れることができないと詠んだ歌である。
類従本では「恋のうた」と題する。底本は下の句に傍記を付し、類従本では結句に異同がある。ここでは底本の本文に従う。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。
初句「海人ごろも」は、海人の着る衣の意で、蓑の縁から「たみの」にかかる枕詞である。
二句「たみのの島に」は、摂津国の歌枕の田蓑の島にの意で、海人衣の縁語の蓑を含む。
三句「鳴くたづの」は、鳴く鶴のの意で、前歌の三句とほぼ同じ句である。
四句「声ききしより」は、声を聞いてからの意で、本巻の第四百十一首の四句「音聞きしより」と同じ趣向である。
結句「わすれかねつも」は、忘れることができないでいるの意で、「も」は詠嘆である。
あまごろも:海人の着る衣、枕詞
たみの:地名の田蓑と、蓑を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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難波潟浦よりをちに鳴く鶴の よそに聞きつつ恋や渡らむ
- 次の歌
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須磨の浦に海人のともせる漁火の ほのかに人を見るよしもがな