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広瀬川袖漬くばかり浅けれど
我は深めて思ひ初めてき

歌の意味
広瀬川は袖が浸るほどの浅さだが、私は深く思い始めたのだ。
鑑賞
恋歌 461

詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
 大和の広瀬川は袖が浸る程度に浅いけれども、自分は深く思いを寄せ始めたと詠んだ歌である。川の浅さと思いの深さとを対比している。

 初句「広瀬川」は、大和国の歌枕の広瀬川の意である。
 二句「袖つくばかり」は、袖が水に浸るほどの意で、川の浅さを表す。
 三句「あさけれど」は、浅いけれどもの意で、逆接である。
 四句「我はふかめて」は、私は深くしての意で、川の浅さと心の深さとを対にしている。
 結句「思ひそめてき」は、思い始めたのだの意で、「てき」は完了と過去である。

つく:水に浸る
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
逢坂の関屋もいづら山城の 音羽の滝の音に聞きつつ
次の歌
神山の山下水の湧き返り 言はで物思ふ我ぞ悲しき