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神山の山下水の湧き返り
言はで物思ふ我ぞ悲しき

歌の意味
神山の麓を流れる水が湧き返るように、心の中に思いは湧き返りながら、口に出さずに物思いをしている私が悲しい。
鑑賞
恋歌 462

詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
 山城の神山の麓を流れる水が湧き返るように、胸の内に思いはあふれていながら、口に出せずに物思いをしている自分が悲しいと詠んだ歌である。前歌の川の浅さに対し、湧き返る水で思いの激しさを表している。

 初句「神山の」は、山城国の上賀茂神社の神山のの意である。
 二句「山下水の」は、山の麓を流れる水のの意である。
 三句「わきかへり」は、激しく湧き立っての意で、本巻の第四百四十七首の三句と同じ語である。
 四句「言はで物おもふ」は、口に出さずに物思いをするの意で、「で」は打消の接続助詞である。
 結句「われぞかなしき」の「ぞ」は係助詞で、「かなしき」と連体形で結ぶ。本巻の第四百四十三首と同じ結句である。

やましたみづ:山の麓を流れる水
わきかへる:激しく湧き立つ
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
広瀬川袖漬くばかり浅けれど 我は深めて思ひ初めてき
次の歌
奥山の岩垣沼に木の葉落ちて 沈める心人知るらめや