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山城の岩田の森のいはずとも
秋の梢はしるくやあるらむ

歌の意味
山城の岩田の森の名のように言わなくても、秋の梢が色づいてはっきりわかるように、私の思いもはっきり表れているだろうか。
鑑賞
恋歌 464

詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
 山城の岩田の森の名から「言はず」を引き出し、口に出して言わなくても、秋の梢が紅葉してはっきりわかるように、自分の思いも表に出てしまっているだろうかと詠んだ歌である。

 初句「山城の」は、山城国のの意である。
 二句「岩田の森の」は、山城国の歌枕の岩田の森のの意で、同音から「いはず」を導く。
 三句「いはずとも」は、言わなくてもの意で、地名の「いはた」と音を重ねる。
 四句「秋のこずゑは」は、秋の木の枝先はの意で、紅葉した梢を思わせる。
 結句「しるくやあるらむ」の「や」は疑問の係助詞で、「らむ」と連体形で結ぶ。はっきりと表れているだろうかの意である。

こずゑ:木の枝の先
しるし:はっきりしている
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
奥山の岩垣沼に木の葉落ちて 沈める心人知るらめや
次の歌
み熊野の浦の浜木綿言はずとも 思ふ心の数を知らなむ