富士の嶺の煙も空に立つものを
などかおもひの下に燃ゆらむ
- 歌の意味
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富士の嶺の煙でさえ空に立ち上るのに、どうして私の思いの火は胸の内でばかり燃えているのだろう。
- 鑑賞
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恋歌 467
詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
燃える富士の嶺の煙でさえ空に立ち上って人目につくのに、自分の恋の火はなぜ胸の内でひそかに燃えるばかりなのかと詠んだ歌である。当時煙を上げていた富士山を恋の火にたとえている。
初句「富士のねの」は、富士山の頂のの意である。
二句「けぶりも空に」は、煙でさえ空にの意である。
三句「たつものを」は、立ち上るのにの意で、「ものを」は逆接である。
四句「などかおもひの」の「などか」は疑問で、結句の「らむ」と連体形で結ぶ。「おもひ」の「ひ」に「火」を掛けている。
結句「下にもゆらむ」は、心の内で燃えているのだろうの意である。前歌の「したのおもひ」を受けて、内に燃える思いを詠んでいる。
ね:山の頂
おもひ:思いの意と、その「ひ」に火の意を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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年経とも音には立てじ音羽川 下行く水の下の思ひを
- 次の歌
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白山のふりて積もれる雪なれば 下こそ消ゆれ上はつれなし