伊勢島や一志の海人の捨て衣
逢ふことなみに朽ちや果てなむ
- 歌の意味
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伊勢の一志の海人が捨てた衣が波に朽ち果てるように、逢うこともないまま私は朽ち果ててしまうのだろうか。
- 鑑賞
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恋歌 470
詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
伊勢の一志の浜で海人が脱ぎ捨てた衣が波にさらされて朽ちるように、逢うこともないまま自分も朽ち果ててしまうのかと嘆いた歌である。
類従本では「海の辺の恋」と題する。賀茂真淵は四句の「あふことなみに」を言い古された表現であると評している。
初句「いせ島や」は、伊勢の島よの意で、「や」は詠嘆の間投助詞である。
二句「いちしの海士の」は、伊勢国の一志の海人のの意である。
三句「すて衣」は、捨てられた衣の意で、顧みられない身を思わせる。
四句「あふことなみに」は、逢うことが無いので、の意の「無み」と「波」とを掛けている。
結句「朽ちやはてなむ」の「や」は疑問の係助詞で、「む」と連体形で結ぶ。衣が波に朽ちることと、身が恋に朽ちることとを重ねている。
あま:海で漁をする人
なみ:無いので、の意の無みと、波を掛ける
くちはつ:すっかり朽ちてしまう
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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芦屋の灘の塩焼き我なれや 夜はすがらにくゆりわぶらむ
- 次の歌
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東路のみちのおくなる白河の せきあへぬ袖をもる涙かな