人知れず思へば苦し武隈の
まつとは待たじ待てばすべなし
- 歌の意味
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人知れず思っていると苦しい。武隈の松の名のように待つことはもうするまい。待っていてもどうしようもないのだから。
- 鑑賞
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恋歌 473
詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
人知れず思い続ける苦しさに、陸奥の武隈の松の名のように待つことはもうやめよう、待ってもどうしようもないのだからと詠んだ歌である。「まつ」「また」「まて」と音を重ねた調べが特徴である。
底本の注記によれば、原本では結句を誤っているとされる。
初句「人知れず」は、人に知られずにの意である。
二句「思へばくるし」は、思っていると苦しいの意で、ここで句切れとなる。
三句「武隈の」は、陸奥の歌枕の武隈のの意で、二本の松で知られる。
四句「まつとはまたじ」は、松の名のように待つことはするまいの意で、「まつ」に松と待つを掛ける。「じ」は打消の意志である。
結句「まてばすべなし」は、待っていても仕方がないの意である。四句の「まつ」「また」と結句の「まて」とで同じ語を重ねている。
まつ:武隈の松と、待つの意を掛ける
すべなし:どうしようもない
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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涙こそ行方も知らぬ三輪の崎 佐野の渡りの雨の夕暮
- 次の歌
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唐衣着馴の里に君を置きて しま松の木の待てば苦しも