信夫山下行く水の年を経て
湧きこそ返れ逢ふよしをなみ
- 歌の意味
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信夫山の麓を流れる水のように、年月を経て、胸の内に思いは湧き返る。逢う手立てがないので。
- 鑑賞
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恋歌 476
詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
陸奥の信夫山の麓をひそかに流れる水のように、年月を重ねても胸の内で思いが湧き返るばかりで、逢う手立てがないと嘆いた歌である。「しのぶ」に忍ぶ恋を響かせている。
初句「しのぶ山」は、陸奥の歌枕の信夫山で、忍ぶ恋を響かせる。
二句「下ゆく水の」は、表面の下を流れる水のようにの意で、本巻の第四百六十六首の四句と同じ句である。
三句「年をへて」は、年月を経ての意である。
四句「わきこそかへれ」の「こそ」は係助詞で、「かへれ」と已然形で結ぶ。思いが湧き返ることをいい、第四百六十二首の「わきかへり」と同じ語である。
結句「逢ふよしをなみ」は、逢う手立てがないのでの意で、「を〜み」は原因や理由を表す。倒置によって理由を後に置いている。
しのぶ:地名の信夫と、忍ぶ恋の意を響かせる
よし:方法、手立て
わきかへる:激しく湧き立つ
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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わが背子を待乳の山の葛かづら たまさかにだにくる由もがな
- 次の歌
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心をし信夫の里に置きたらば あふくま川は見まく近けむ