白波の磯越道なる能登瀬川
後も逢ひ見むみをし絶えずば
- 歌の意味
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白波が磯を越える道にある能登瀬川よ。その水の流れが絶えないならば、のちにも逢おう。身さえ絶えなければ。
- 鑑賞
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恋歌 480
詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
白波が磯を越えて寄せる道沿いの能登瀬川の名から「のち」を引き出し、川の水脈が絶えないように、この身さえ絶えなければのちにきっと逢おうと詠んだ歌である。万葉集の歌の語句を踏まえている。
底本の注記によれば、原本では二句から三句を「いそくがぢなるのせ川」とするが、類従本によって改めたもので、ここではその改訂に従う。定家所伝本では二句から三句を「いそらがちなるのとせ川」とする。
初句「白波の」は、白い波がの意で、「磯越す」にかかる。
二句「いそこせぢなる」は、波が磯を越える道にあるの意である。
三句「のとせ川」は、能登瀬川の意で、同音から四句の「のち」を導く。
四句「のちもあひみむ」は、後にも逢おうの意で、「む」は意志である。前歌の「あふよもあらば」の願いを受けている。
結句「みをし絶えずば」は、川の水脈と自分の身とを掛け、それが絶えなければの意となる。「し」は強意である。
いそこせぢ:波が磯を越えて寄せる道
みを:川の水の流れる筋の水脈と、身を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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かくてのみありその浦のありつつも 逢ふ夜もあらば何か恨みむ
- 次の歌
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わたつみに流れ出でたる飾磨川 しかも絶えずや恋ひ渡りなむ