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わたつみに流れ出でたる飾磨川
しかも絶えずや恋ひ渡りなむ

歌の意味
大海に流れ出ている飾磨川が絶えず流れるように、そのように絶えることなく恋い続けるのだろうか。
鑑賞
恋歌 481

詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
 大海へと絶えず流れ出る播磨の飾磨川のように、自分も絶えることなく恋い続けるのだろうかと詠んだ歌である。地名の「しかま」から同音の「しかも」を引き出している。

 初句「わたつみに」は、大海にの意である。
 二句「流れいでたる」は、流れ出ているの意である。
 三句「しかま川」は、播磨国の歌枕の飾磨川の意で、同音から「しかも」を導く。前歌の能登瀬川に続き、川の歌枕が詠まれている。
 四句「しかもたえずや」は、そのようにも絶えずにの意で、「や」は疑問の係助詞で、結句の「なむ」と連体形で結ぶ。前歌の「絶えずば」と同じ語を用いている。
 結句「恋ひ渡りなむ」は、恋い続けることになるだろうの意で、本巻の第四百十九首と同じ結句である。

わたつみ:海、大海
しか:そのように
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
白波の磯越道なる能登瀬川 後も逢ひ見むみをし絶えずば
次の歌
ちはやぶる賀茂の川波幾そ度 立ち返るらむ限り知らずも