- 歌の意味
- 田子の浦の荒磯の美しい藻が波の上に浮いて漂うように、心の定まらない揺れ動く恋をすることだなあ。
- 鑑賞
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恋歌 484
詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
田子の浦の荒磯に生える藻が波の上に浮いて揺れ漂うように、心の落ち着かない恋をしていると詠んだ歌である。
底本の注記によれば、定家所伝本では二句に異同がある。ここでは底本の本文に従う。
初句「田子の浦の」は、駿河国の歌枕の田子の浦のの意で、字余りである。
二句「荒磯の玉藻」は、荒い磯に生える美しい藻の意である。
三句「波の上に」は、波の上にの意である。
四句「うきてたゆたふ」は、浮いて揺れ漂うの意で、定まらない恋心を重ねる。本巻の第四百四十二首の「うきてや」と同じく、浮き漂うものに恋を託している。
結句「恋もするかな」は、本巻の第四百三十一首と同じ結句である。
たまも:藻の美称
たゆたふ:揺れ動いて定まらない
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- 武庫の浦の入江の洲鳥朝な朝な 常に見まくの欲しき君かな
- 次の歌
- わが恋は加古の渡りの綱手縄 たゆたふ心やむ時もなし