住吉のまつとせしまに年も経ぬ
千木のかたそぎ行き合はずして
- 歌の意味
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住吉の松のように待とうとしているうちに年も過ぎてしまった。社殿の千木の片削ぎが行き合わないように、逢わないままで。
- 鑑賞
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恋歌 492
詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
住吉の松のように待とうとしているうちに年月が過ぎてしまった。住吉の社殿の千木の先が互いに行き合わないように、逢わないままであると詠んだ歌である。
賀茂真淵は、古今和歌六帖の「かささぎの行あひの間より」の歌を「かたそぎの」と改めて住吉の神の歌と偽って伝えたものを取り入れたのはよくないと評している。
初句「住吉の」は、摂津国の住吉の意で、前歌の住の江と同じ地である。
二句「まつとせしまに」は、住吉の松と、待とうとしていた間にとを掛けている。前歌の「まつこと」を受けている。
三句「年も経ぬ」は、年も過ぎてしまったの意で、ここで句切れとなる。前歌までの結句「年をへぬらむ」を言い切りの形にしている。
四句「千木のかたそぎ」は、社殿の屋根の両端に交差して突き出た木の、先を斜めに削いだ部分の意である。
結句「行きあはずして」は、行き合わないままでの意で、千木の先が離れていることと、逢えないこととを重ねている。倒置となっている。
ちぎ:社殿の屋根の両端に交差して突き出た木
かたそぎ:千木の先を斜めに削いだもの
まつ:住吉の松と、待つの意を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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住の江のまつこと久になりにけり 来むと頼めて年の経ぬらむ
- 次の歌
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いかにせむ命も知らず松山の 上越す波に朽ちぬ思ひを