いかにせむ命も知らず松山の
上越す波に朽ちぬ思ひを
- 歌の意味
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どうしたらよいのだろう。命もいつまでかわからない。末の松山を波が越えるようなことがあっても朽ちない、この思いを。
- 鑑賞
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恋歌 493
詞書は前の歌に続き「名所の恋の心をよめる」
どうしたらよいのか、命もいつまで続くかわからないのに、末の松山を波が越えるようなことがあっても朽ちないこの思いをと詠んだ歌である。古今集の「君をおきてあだし心をわが持たば末の松山波も越えなむ」を踏まえ、変わらない恋心を表している。名所の恋の一連をしめくくる一首である。
底本の注記によれば、この歌は貞享本にのみあって類従本にない歌二首のうちの一首である。
初句「いかにせむ」は、どうしたらよいのだろうの意で、ここで句切れとなる。
二句「命も知らず」は、命がいつまでかもわからないの意である。
三句「松山の」は、陸奥の歌枕の末の松山のの意で、波が越えることのない山として心変わりのないことの象徴とされる。
四句「うへこす浪に」は、山の上を越す波にの意で、本歌を踏まえ、ありえないことのたとえである。
結句「くちぬおもひを」は、朽ちない思いをの意で、初句の「いかにせむ」に返る倒置である。本巻の第四百七十首の「朽ちやはてなむ」に対し、朽ちることのない思いを詠んでいる。
すゑのまつやま:陸奥の歌枕で、波が越えないことから心変わりのない誓いの象徴
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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住吉のまつとせしまに年も経ぬ 千木のかたそぎ行き合はずして
- 次の歌
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春やあらぬ月は見しよの空ながら 馴れし昔のかげぞ恋しき