思ひきやありし昔の月影を
今は雲居のよそに見むとは
- 歌の意味
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思いもしなかった。かつて親しく見た昔の月の光を、今は雲の上の遠いよそのものとして見ることになろうとは。
- 鑑賞
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恋歌 495
詞書は前の歌に続き「寄月忍恋」
かつて親しく見ていた昔の月の光を、今は遠い雲の上のものとして眺めることになるとは思いもしなかったと詠んだ歌である。月に、今は遠く手の届かない存在となった恋人を重ねている。
初句「思ひきや」は、思っただろうか、いや思いもしなかったの意で、「や」は反語である。ここで句切れとなる。
二句「ありしむかしの」は、かつての昔のの意で、前歌の「なれし昔の」に対応する。
三句「月影を」は、月の光をの意で、前歌の「かげ」を受けている。
四句「今は雲ゐの」は、今は空の遠いところのの意で、「雲ゐ」は高く遠い所や宮中も思わせる。
結句「よそに見むとは」は、遠いよそのものとして見ようとはの意で、初句に返る倒置である。
くもゐ:空、遠く高い所
よそ:遠く離れた所、無関係な所
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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春やあらぬ月は見しよの空ながら 馴れし昔のかげぞ恋しき
- 次の歌
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隠れ沼の下這ふ葦の水隠りに 我ぞ物思ふ行方知らねば