秋風になびく薄のほには出でず
心乱れて物を思ふかな
- 歌の意味
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秋風になびくすすきの穂のように表には出さず、心乱れて物思いをすることだ。
- 鑑賞
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恋歌 498
詞書は前の歌に続き「寄草忍恋」
秋風になびくすすきの穂のように表に出すことはせず、心の中で乱れて物思いをしていると詠んだ歌である。前歌の夏のすすきを秋のすすきに移している。
底本の注記によれば、原本では結句を「物おもふかな」とし、類従本と定家所伝本も同じである。ここでは底本の本文に従う。
初句「秋風に」は、秋風にの意である。
二句「なびく薄の」は、なびくすすきのの意で、前歌の夏野のすすきを秋のすすきにしている。
三句「ほにはいでず」は、穂には出ない、すなわち表には出さないの意で、「ほ」に穂と表とを掛ける。字余りである。
四句「心みだれて」は、心が乱れての意で、すすきが風に乱れることを重ねる。
結句「物をおもふかな」の「かな」は詠嘆である。
ほにいづ:穂が出る意と、表に現れる意を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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わが恋は夏野の薄しげけれど ほにしあらねば問ふ人もなし
- 次の歌
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時雨降る秋の山辺に置く霜の 色には出でじ色に出づとも